こんな映画観たことない!「監督・ばんざい!」

2007/6/1

映画監督・キタノタケシは次に撮る映画の内容で悩んでいた…最も得意とするギャング映画を「暴力映画は撮らない!」と宣言し、封印してしまったのだ。なんとかヒット作を撮りたい!と今まで手をつけなかったジャンルの映画(小津安二郎風人情劇、昭和30年代映画、ホラー、ラブストーリー、時代劇、SF…)に挑戦するも、どれもうまくいかない。いよいよ追い詰められた監督は、閃きと共に1本の映画にとりかかった!目指せ大ヒット!!そんな時、地球には人類史上かつてない大異変が起きようとしていた!
…という予測不能なストーリー、怪演見事な役者陣、空前絶後の展開。一言ではそのすごさは語れない北野武監督の最新作「監督・ばんざい!」にちょっぴり貢献したのが、茨城の風景や建物です。
まず‘昭和30年代映画’。炭鉱住宅に暮らす人々…やんちゃな子供たちがプロレスリングを作って「力道山ごっこ」、働き者のお母ちゃん、酔っ払いの亭主…という乱暴なようで生々しく人情味ある時代感を、映画「フラガール」でも使われた北茨城市内の住宅にて見事に映像化。
次に‘ホラー映画’。血塗られた伝説のある土地に建つ旅館。ひたひたと迫る足音に怯える宿泊客。やがてふすまがガラリと開き、そこには…キャーッ!という話を、高萩市の穂積家住宅で夜を徹して撮影が行われました。
そして、ヒット作が生まれず追い詰められた監督がとりかかった映画。詐欺師の親子(岸本加世子・鈴木杏)と吉祥寺太(ビートたけし)がのどかな田園風景を走る電車に乗っていたと思ったら、アレレ?…というシーンは、ひたちなか市の茨城交通湊線・中根駅付近と、茨城町涸沼沿いの未共用道路の風景とのコラボレーションで見事成立!
音楽を担当されたのが水戸市出身の池辺晋一郎氏というのも嬉しいですね。
 出演:ビートたけし 江守徹 岸本加世子 鈴木杏 吉行和子 他



作品名:映画「監督・ばんざい!」
(カンヌ国際映画祭・60周年特別記念企画「TO EACH HIS OWN CINEMA」に選ばれた短編作品『素晴らしき休日』も同時上映)
上 映 :6月2日(土)~ 全国ロードショー
     なお県内では,シネプレックス水戸,シネプレックスつくば,シネマックスパルナ稲敷にて6月1日(金)から特別先行上映
撮 影 :2006年7月~9月
ロケ地:北茨城市内の住宅、穂積家住宅(高萩市)、茨城交通湊線(ひたちなか市)、涸沼沿い未共用道路(茨城町) など



                         写真:(C)2007「監督・ばんざい!」製作委員会